ここ数年クリニカルパスという言葉をよく耳にしてきましたが、私自身の印象としてはDRG/PPSに対応する為に医療費の合理化、入院期間の短縮という観点からの一種のやり方であると思っておりました。そのような印象を持っていたのであまり興味を持っていなかったのが正直な考えでした。しかし雑誌等をちらっと横目で見てみると少し面白そうな気がしてきて、そんな折、院内でクリニカルパスのワーキンググループが出来るとあってとりあえず委員に志願してみました。ところが何もわからない私にとって何からはじめていいのかわからず、自分から志願したにもかかわらず気分がのらない時期にちょうど大阪で教育セミナーの話があり、自己啓発をする意味で参加させていただきました。
 テーマが「クリニカルパスと薬剤師の責務」とあるので私はまず自分が薬剤師として「今出来ることは何か」、「どのようなことからかかわっていけばいいのか」という自分なりのテーマを掲げて各講師の先生の話に耳を傾けました。
 各先生方共通な事として「チーム医療への参画」を挙げられておられます。これは我々薬剤師にとって「顔の見える薬剤師」になるためには当然のことであると思われますが、他の職種がチーム医療として今まで薬剤師の参画を積極的に進めてきたでしょうか。今では薬剤管理指導業務が導入され病棟に薬剤師がいることが不思議ではない時代となってきましたが、施設によってはかなりの格差はあると思います。医薬分業にともなって病院薬剤師は院内患者向けの業務に重点がおかれてきました。リスクマネージメント、薬物療法支援、院内感染対策、NST栄養・輸液管理等、薬剤師が調剤という業務以外にかかわらなければならない仕事はたくさんあります。その中でクリニカルパスはこの全てに共通であるテーマといえることが各先生方の話から伝わってきました。クリニカルパスの奥の深さに感動し、薬剤師としての職能を実践する必要がある場であることも認識いたしました。 
   では、パス初心者の私にとって今何が出来るのかというとまず「チーム医療に参画する」そして「エビデンスに基づく意見を活発に述べる」このことにより薬剤師が参画していることを印象付ける第一歩となるのではと考えました。また院内の各委員会に各薬剤師がどのような形であれ参画し、また参画を積極的にアピールし薬剤師の職能を発揮しなければならないと常日頃から感じます。
 当院のパス委員会も始まったばかりです。まだ他の先進的な施設のような活発な討議はされてはいませんが、今後電子カルテの導入も予定されているので自分自身のレベルが上がり当院のパスのレベルが上がり、院内パス大会等が開催されるまで前向きに進めていかなければならない事を各先生方より考えさせられました。
 “いつもその場に薬剤師がいる事”それが始まりの第一歩ですね!









 日本クリニカルパス学会主催の、第8回済生会熊本病院パス大会見学会に参加させていただきましたので、その感想も含めご報告致します。

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