自分の環境とは、まさに自分がそう仕向けた結果出来上がったもので、人生には偶然は存在せず、私達が手にするものは全て自分の行い、思いの結果である。そして、良くも悪くも自分の思いの通りに、自分自身や環境が出来あがってくる。自分にとって不都合な環境である裏には、自分の行いの結果がある。自分の環境の悪さをほかのひとのせいにするのをやめ、自分の心を正しくコントロールすることが重要で、強く気高い思いをめぐらせることに努めることで自分自身を強化しましょう。「環境(自分自身の結果)と戦うのではなく、それを自分自身の行ないの結果としてみつめましょう。」…と。 パスや電子カルテの導入がうまく行かない事に苛立たしさを持った経験はありませんか?「とても導入する環境にない」「環境が悪い」「誰も理解してくれない」などと。しかし、「原因と結果の法則」によれば、その環境は、自分自身の誤った「思い」による行動の結果かもしれません。私自身思えば、導入後「当院では自分がパスの牽引役」などいうちょっとした驕りがありました。もしかしたら当時、その思いが導入のスピードを遅延させる環境の一因になっていたことがあったかも…。「俺がやらなきゃ誰がやる」ってね。反発勢力は自分が作っていたんですね。 この法則にしたがって、「純粋に」パスをみんなに分かってもらおう、自分の病院に広めようと思ったらどうすれば良いか考えてみました。 情報発信は誰からでも良く、匿名でも良く、院長でも看護部長でも、考えられる迅速なルートを画策するのがいいですね。知りうる全てをイーブンに公開してしまいましょう。パス学会のメーリングリストへの加入を院内全員にすすめましょう(私もやりました)。あなたが知ったパスや電子カルテの情報(長所も短所も)をまっさらさらに公開してしまいましょう。院内LANがあれば、知ったことをぜーんぶ書き込んじゃえば良いですね。 パスを渋っている方にも、その人しか経験していない事情がたくさんあるはずです。ピュアに受け入れ、自分自身の「思い込み」「片寄ったイメージ」で作られた誤った「思い」を心から排除してみましょう。 病院のリーダーになる必要は無いのです。純粋にパスの、電子カルテの、横断チームの良いところを知ってもらうお手伝いをしましょう。そのことが「思い」で「環境」がかわる一歩です。「パスで名を挙げてやろう」「あの病院に負けたくない」「うちの幹部は何もわかっとらん」「これで一儲けしてやろう」「パスの仕事をやってるんだから他の仕事は楽させてもらおう」そういう思いは、すぐに自分自身にそして自分の環境に表出されてしまいます。「善人過ぎると苦労が絶えない」などというのは迷信で、自分自身を改善する努力を放棄したい人の逃げ言葉だそうです。他者の非難は「他者を非難するあなた」にふさわしい環境を作り、自分自身に降りかかってきます。非難する自分の人格を冷静に見つめましょう。 ▲ 今田 光一 先生 |
「宇宙を動かしているのは混乱ではなく秩序です。」 「宇宙は、私たちがめぐらす思いの具現化を常に援助してくれています。私たちが良い思いをめぐらせようと。悪い思いをめぐらせようと、それをもっとも速やかに具現化させるための好機の数々が、私たちの前に休みなくあらわれつづけているのです。」「自分にとって必要な学習を提供した環境は自ずと極めて自然に次の環境に取って代わられることになります。」と法則には記されています。 「パスを自分達の手で作りたい。」「パスを使いたいけど作るのは嫌だ」「電子カルテ開発に携わってみたいけど、今の病院では無理。」「電子カルテは使ってみたいけど、開発は嫌」「パスの研究できるなら臨床はやめてもいい」「日本中に広めて反応を聞いて改善していく仕事をしたい」これらの思いは全てが患者さんの安心感に繋がるのですから、どれでも良いですよね。 環境のせいにすることなく自分の心の奥底の本音を、自分自身がストレートに理解する事で、それにふさわしい環境はやってきます。自らの求めに応じてパスや電子カルテに遭遇し、会えるべくして知り合えた方々と、穏やかな心を持ちつづけながら自分の心をしっかりと管理し、人格の向上に努め、環境の変化を誘導しなくてはいけない様です。 剣道では「気剣体一致」という言葉があります。充実した修練の後には、「面を誘ってこれを払って小手を打とう」などという考えを図らなくとも空気に乗って自然に剣が動くのです。 ナイチンゲールの思いにも触れられる心を落ち着ける本との出会い(これも必然?)でした。 ―次回は東京都立駒込病院の村木泰子さんです。
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