一般社団法人
日本クリニカルパス学会

Japanese Society for Clinical Pathway

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学会概要

一般社団法人 日本クリニカルパス学会 理事長挨拶

一般社団法人 日本クリニカルパス学会
理事長山中 英治

済生会熊本病院の副島秀久先生の後任として理事長を拝命いたしました。20年以上も前にパス大会という多職種で話し合う画期的な医療の質改善手法を考案され、パスを今日まで継続発展させてこられたリーダーからバトンを受けることは大いにプレッシャーでありますが、チーム医療の学会ですので多職種の皆さまのお力を借りて、役割を果たせるよう努めますのでご鞭撻をお願いいたします。

2020年は100年に一度のパンデミックに見舞われてソーシャルディスタンスが必要となり、学会活動も大きく制限されました。岐阜の学術集会は延期となり、セミナーもWEB開催になりました。カミュのペストを再読された方も多かったようですが、当時はもちろんWEBも抗菌薬もワクチンも無かったので、隔離しか対策がなくて社会活動は完全に制限され、人々はさぞ辛かったことでしょう。

ニュートンはペストの流行で大学が閉鎖されたので、故郷に戻っている休みの間に万有引力の法則を発見しました。日常のルーティンから解放される「創造的休暇」だったそうです。優秀な人は時間があると普段はできない研究や勉強をするようですが、私などは閑居すれば不善を為します。会場に行かずにWEB参加した学会では質問もせず、いくつも何度も聴けるのを良いことに集中して聴かなかったせいか、内容があまり残らず参加証だけが残りました。

学会開催地を合間に探訪し名物を食し、情報交換会では学会会場では聴けなかった本音の質問をして、意気投合して知己を得るというのも学術集会現地開催の意義と成果かと思います。リモート授業では身が入らない大学生が多いのも理解できます。名物教師の講義は講堂でじかに聴いて、実習で直接指導されることで感銘を受けます。しかし今回知ったWEBセミナーの「何時でも何処でも繰り返し」というメリットは今後も活用したいと思います。

入職した時にはもう病院にパスがあったという人がほとんどになりました。EBM、ガイドラインの普及で「何処でも標準的で科学的な医療」を受けられるようにという目的で導入され「DPC」「電子化」「地域連携パス」「チーム医療と医療職の業務軽減」などの医療改革の流れもあって、安全で効率的なアウトカム志向の診療スケジュールであるパスは必要不可欠なツールとなっています。

実は私もほとんどのパスができてしまえば、もう学会がすることは無いのではないかと思ったこともあったのですが、医療や制度は日進月歩であり、時代に即して医療を改善するためには、パス自体もですがパス運用システムも改善する必要があり、電子化でパスから得られる膨大なデータを医療情報として活用するなど、まだまだ発展の可能性の大きい分野であることを教わりました。パスがあって当然の世代には、パスが単なる予定表ではなく何かと便利で面白いツールであることを実感してもらい、新しい活用法のアイディアを発案して頂けるように学会としてお役に立てる活動をしたいと思います。

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定義

当学会の公式定義として定めました。

クリニカルパス(略名:パス)の定義
患者状態と診療行為の目標、および評価・記録を含む標準診療計画であり、標準からの偏位を分析することで医療の質を改善する手法
電子クリニカルパス(略名:電子パス)の定義
情報通信技術(ICT)を用いて標準診療計画を作成し、標準診療計画に基づく診療の実施を支援し、患者個別の診療状況とその評価を記録し、逸脱事例の集計と分析などを処理する医療管理手法
電子クリニカルパスシステム(略名:電子パスシステム)の定義
電子クリニカルパスを実現するための情報システム

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設立の趣旨

世界的に医療の標準化の重要性が見直されている今日、患者ケアの質的向上と効率化という、ある面で相反する目標を追求する効果的な医療手段としてクリニカルパスへの関心が高まっています 。

クリニカルパスを効果的に運用するためには、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、臨床検査技師、作業療法士、放射線技師、介護福祉士、病院管理者、医療事務担当者、行政側および患者など全ての医療に関わる人々が、チームとして一体となった医療がもっとも必要とされます。さらに様々な医療を支援する企業との連携も不可欠となるでしょう。

本学会は、特にチーム医療によるクリニカルパス手法の更なる普及を目指し、患者中心の医療・ケアにより貢献したいという願いから設立されました。

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事業目的

臨床現場における具体的なクリニカルパスの導入・運用および改善を支援することを目的とします。

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事業内容

  • (1)会員の学術集会、研究発表会講演会などの企画・運営
  • (2)クリニカルパス運用についての助言・相談の提供(ホームページなどを含む)
  • (3)クリニカルパスに関する研究、調査及び教育
  • (4)内外の関係学術団体との連絡、提携及び調整
  • (5)学会誌、ニュースレター等の発行
  • (6)クリニカルパス領域における各種標準化に関すること
  • (7)その他本会の目的達成のために必要な事業

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著作物

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