また、特に日本との違いで驚かされたのは記録の様式です。その1つとしてフローシートがありますが、これには検査に関する指示、点滴の指示と観察事項、呼吸機能、バイタルサイン、神経機能の観察項目、創傷の状態などが時間軸ごとに示されており、患者に対して、何のために、どのような項目を、どういう方法でみることで必要事項が網羅され、医療従事者の能力によるばらつきを最小限にし、患者に対する適切なケアの提供を可能にしています。ケアマップについてだけではなく、「何が必要な記録なのか」という点に関して、記録のあり方に関しても学ぶべき点が多くありました。日本にも、「観察すべきこと」と「記録すべきこと」が明確となるような記録形式を発展させる必要があると思います。ただ、米国でも「看護婦は記録が好きでたくさん書く」という話をうかがい、少し安心しました。
医療の質改善のためにチームでアウトカムを明確にし、ケアマップの作成に取り組み、バリアンス分析を重ね、つねにEBMに基づいたケアを提供しているかという点を確認し、継続的な評価を重ね続けることが、ケアマップの活用する意義と効果につながると考えました。




さる5月18日、19日に東京小平市の公立昭和病院においてパス大会見学会が行われました。参加者は各職種、各病院から約40名ほどでした。実は昭和病院は私が3年半前まで10年足らずお世話になっていた病院です。懐かしさと私が去ってから導入されたクリニカルパスに興味を持ち、参加させていただきました。佐手先生、細田婦長さんから昭和病院におけるパスの導入について説明があり、その後具体的に循環器内科における導入の過程とチーム医療について報告されました。病院をあげて取り組んでいった様子がわかりやすく説明されました。確か私が勤めていた3年半前にパスについて知っている職員はほとんどいなかったと思いますがその後の全病院的広がり、進歩の速さに驚かされました。都内でも救急患者の受け入れで実績のある忙しい病院ですが、職員同士がとても仲良く一つの目標に進む力は相変わらずと感心させられました。参加者からも活発な質問が出され、佐手先生を初めとする職員の方々の本音での応答が勉強になりました。その後各病棟を見学させていただき、夕方から始まったパス大会では脳梗塞、帯状疱疹のパスの発表があり、活発な議論が交わされました。
二つともそれぞれの科における個性を活かしたパスであり、EBM、ガイドラインがきちんと取り込まれていながら使いやすいパスと思われました。夜には食堂にて情報交換会が行われ、参加者全員で楽しく活発に話ができ他院での導入におけるご苦労を身近に感じることができ有意義な時間が過ごせました。翌日には阿部先生による特別講演が行われ充実した見学会でした。昭和病院のこの3年半での導入の成功は病院全体で進めることでどの病院でも必ず導入できるいいお手本だと思いました。遅くまで私のお酒に付き合っていただいた荒木院長先生、山口看護部長さん初め昭和病院の皆様に感謝いたします。





5月18日公立昭和病院のパス大会に参加させて頂きました。
かなり緊張していた上に羽田空港から色々迷い時間ぎりぎりに到着したのですが、スタッフの方々はどの方も気さくでパスだけでなく色々な話をしてくださり、徐々に緊張も取れリラックスできました。パス大会運営パスを作られたのかと思った程です。
実際のパス大会で一番印象的だったのは、パスだけでなくその周辺に使用されるガイドライン、プロトコール、記録用紙そしてスタッフ教育のあり方、紙面だけでは把握しきれない細かいところまで整備されていたことです。それらのことを全て公表して頂き、現場で作成、使用にかかわる者として大変勉強になりました。同時にパスを使用された後の評価もさまざまな角度から分析されていましたし、正のバリアンス分析を何故行う必要があるのか新しい発見もありました。
更に興味深かったのは、リハビリテーション進行表がベットサイドに置かれているということと在宅指導計画書です。

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