翌日は、黒部市民病院の今田光一先生のご講演「CPと電子カルテシステム」を拝聴いたしました。今田先生は、同院のクリニカルパス委員会の活動とともにEMR(Electronic Medical Record)委員会に参加され、オールインワンパスを電子化した“ステップアップパスシステム”を作成し導入されました。ご講演の中で、「電子カルテシステムを導入する目的を明確にする」ことと「黒部市は海の町です」と言われた言葉が印象深く残っています。また、電子カルテシステム導入に必要な覚悟や導入にあたっての様々なエピソードを交えてお話して頂き、楽しく拝聴することができました。
 今回の前橋赤十字病院のパス大会に参加し、クリニカルパスの新しいアイデアと電子カルテシステムのコンセプトなど多く得るものがありました。非常に実りのある2日間であり、次の機会にも是非参加したいと思います。ありがとうございました。





 当院では平成10年からクリニカルパス(以下パス)に取り組み検討を重ねながら、平成12年4月に第1回パス大会を開催しました。同年11月にはカレンザンダー氏を招いての講演会を企画しました。これまで22回のパス大会を開催してきましたが、今回の第23回大会は日本クリニカルパス学会の公開パス大会となりました。
 当院での公開は昨年に引き続き2回目となりますが、今年は2日間の日程で企画しました。当院におけるパス活動の経過とパスの特徴の説明、病棟でのパス実施状況の見学、公開パス大会、大会終了後場所を変えての情報交換会を1日目に行い、翌日は院外からの講師による講演会としました。
 大会のテーマには「連携とクリニカルパス」を選び、乳癌治療における院内・院外での連携システムの構築までの活動をご紹介しました。各診療部門が@術前パスの実績と今後の課題(外来看護師)、A乳癌入院パス(外科医師)、B手術室パス(麻酔科医師、手術室看護師)、C患者用(私の目標入り)パスの効果(病棟看護師)、D乳癌パスのバリアンス分析(外科医師)、E乳癌術後の院外連携パス(外科医師)の6項目について発表し討論しました。
   北は青森から南は熊本まで、21施設から医師、看護師、理学療法士、事務を含む37名の方に参加いただきましたが、病棟見学やパス大会で活発な質問をいただき、皆様のパスに対する熱い思いを感じました。連携パスは参加された多くの施設でも課題となっており、関心を集めました。スケジュールの関係から質疑応答時間が十分とは言えませんでしたが、当院の職員を交えた情報交換会ではパスの導入や運営においての疑問点、問題点と解決法、今後の課題などについて活発な意見が交わされました。
 特別講演は黒部市民病院リハビリテーション科・関節スポーツ外科医長・今田光一先生に「CPと電子カルテシステム」をテーマにご講演いただきました。当院は現在電子カルテシステムの導入に向け準備中であり、先生の明快かつ具体的なお話は導入作業を進めるうえで大変示唆に富む内容でした。これから電子カルテの導入を意図される参加者の皆様方にも有益なご講演であったものと確信しています。
 参加いただいた方々から、新入職員に関する教育やコメディカル、事務職を含めた定期的な勉強会の開催など貴重なご意見や当院パスへのご指摘をいただきました。厚く御礼申し上げますとともに、職員一同でさらに活動内容を改善し、来年の公開パス大会では電子カルテとパスについての取り組みを発表できるよう努力していきたいと思います。
 11月には第4回日本クリニカルパス学術集会が広島で開催されます。公開パス大会でお目にかかった方々と広島での再会を楽しみにしております。



 出張先でも持ち歩く本が、最近「五輪書」から「原因と結果の法則」に変わりました。これは1902年にジェームス・アレンという方が書いた「AS A MAN THINKETH」という本が今年の春に翻訳されたもので、ナポレオン、カーネギー、ナイチンゲールなどといった方々が愛読し、聖書に継ぐベストセラーと言われている本だそうです。
 この中の一節に「人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である。」とあります。

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