クリニカルパスプロジェクト総括責任者の副島秀久先生から、「アウトカム設定、アセスメントとバリアンス分析」を拝聴いたしました。クリニカルパスの定義、標準化と画一化の違い、アウトカムとバリアンスは表裏の関係で、アウトカムが達成されなければ全てバリアンスとし、あいまいな判定にならないよう判定基準に基づいたアウトカムを設定すること。そのためにアセスメントを十分に行なうことの必要性を話されました。これはバリアンス分析時にも重要になってきます。最後に、TQMセンターの組織と活動についての説明で、総合的な質管理を目指した取り組みの必要性を学びました。
 パス大会は17時30分から行なわれましたが、300人収容の大ホールが満杯になり立ち見も出る盛況ぶりでした。今回は脳神経外科から「脳梗塞のパス」について報告がありました。チームの医師より「脳梗塞の診断と治療」、「今回のパスのコンセプト」について、看護師より「アウトカム達成のための看護介入」、「神経症候判断基準の取り組み」、メディカルソーシャルワーカーより「MSWの早期介入」、薬剤師より「使用薬剤の標準化」、医事課より「原価計算」について報告がありました。各分野からの報告はとても興味深い内容で、特に医事課からの収入と支出を計算すると、収益がほとんどないという報告には驚かされました。いろいろな視点からの報告を聞き、チーム全体で取り組んでいるパワーを感じ、このような活動が質の向上につながることを確信しました。
 翌日は8施設の「軽症脳梗塞」のパスに基づいてベンチマークを行いました。パネラーとフロアーからの意見が出され、活発な論議を経てEBMに基づいて標準化されていく過程がわかりました。当院でもパスへの取り組みが始まったばかりですが、病院職員が一丸となり、チーム医療を推進しクリニカルパスに取り組んで行きたいと考えます。

活動報告
2002年
5月31日・6月1日 第1回東北厚生年金病院パス大会見学会
6月1日 第2回教育セミナー(昭和大学)
「薬剤師とクリニカルパス」
9月13日 第1回前橋赤十字病院パス大会見学会
9月21日 第3回教育セミナー(広島市)
「クリニカルパスによる医療質保証プロセス」
10月5日 第4回教育セミナー(新潟市)
「チーム医療とクリニカルパスの実践」
10月9日・10日 第7回済生会熊本病院パス大会見学会
11月22日・23日 第3回日本クリニカルパス学会学術集会
場所:パシフィコ横浜
2003年  
2月15日 第5回教育セミナー(大阪市)
「クリニカルパスと薬剤師への責務」
2月25日・26日 第8回済生会熊本病院パス大会見学会
今後の活動予定
2003年
5月23日(金)・24日(土) 第2回東北厚生年金病院パス大会見学会」
8月9日(土) 第6回教育セミナー(札幌市)
11月21日(金)・22日(土) 第4回日本クリニカルパス学会学術集会
場所:広島国際会議場

 
     
 
テーマ
新たなる医療への展開
 
会 長
光波康壮  中国電力(株)中電病院院長
 
プログラム
特別講演、招待講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップ、一般講演、パス展示、市民公開講座など
 
学会参加事前申し込みおよび演題申し込み
平成15年7月頃からの開始を予定しています。詳細は後ほど本学会ホームページ、学会誌、ポスターなどでご案内致します。
 
学術集会事務局
県立広島病院・総合診療科/呼吸器内科
桑原正雄
〒734-8530
広島市南区宇品神田1-5-54
TEL : 070-5926-0000
FAX : 082-252-6237
リレーエッセイの開始をお伝えいたしましたが、どなたか初回投稿に立候補される方はいらっしゃいませんか。自薦、他薦は問いません。事務局までご連絡下さい。また、初回投稿が決まった方は、次号へ引き継いで頂く方をご指名ください。よろしくお願いいたします。
 
日本クリニカルパス学会では、会員からの相談や情報交換のためにメーリングリスト(以下ML:エムエルと読みます)を設けています。MLとは、ある特定のアドレス(当学会ではjscp-meet@umin.ac.jp)にインターネットでメールを送ると、そのMLに登録されている全員にメールが配られるものです。もともと、学会設立の目的のひとつに、「クリニカルパス運用についての助言・相談の提供」を掲げており、その対応をどうするか理事会で協議の結果、MLを設立しました。理事や評議員の先生方にも参加して頂き、相談があると回答して頂いていますので、ぜひ気軽にご活用下さい。
また、このMLはクローズドなものです、また、MLの特性上、一度にたくさんの方にメールが流れますので、ルールを守ってご参加下さい。
※ MLのルールについてはホームページに記載されています。


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